自転車事故の発生件数と高額賠償事例


自転車事故の発生件数と高額賠償事例

自転車事故の発生状況

自転車運転に対する社会の目が厳しくなってきている昨今ですが、実際のところ事故になっている件数や割合はどの程度になのか、日本損害保険協会が公開している資料から見ていきます。

自転車乗用中の交通事故件数およびその構成率推移

自転車乗用中の交通事故件数およびその構成率推移

資料中における一番直近である2013年(平成25年)の事故件数と割合は以下のとおり
・自転車乗用中の交通事故件数:12万1,040件
・交通事故件数に占める割合:19.2%

自転車の交通事故件数は右肩下がりで減少傾向にありますが、交通事故全体における比率自体は2006年(平成18年)以降に一度上昇して2010年(平成22年)から少しずつ下降傾向という推移になっており、交通事故の20%前後くらいは自転車が関係しているという状況は今後も劇的には変わらなさそうです。

普段ママチャリがメインの移動手段となっている人からすると(当サイトの管理人である私もそうですが)、この20%前後という数値は体感よりもずいぶん高いと感じます。

自転車乗用中の年齢層別交通事故死傷者数の割合(2013年)

自転車乗用中の年齢層別交通事故死傷者数の割合

年齢層の区切り方が厳密に10歳区切りではないため純粋に年代ごとの比較にはなりませんが、実際に自転車が運転できる年齢を考慮するとあまり問題ではないでしょう。(乳幼児が自転車を運転することはまず不可能なので)

やはりというか、若年世代と高齢者の事故比率が高めです。実際、小学校低学年くらいの子は注意力が低いためか危なっかしい状況を見かけます。それ以上の年齢になると注意力はある程度あるものの無茶・無謀な運転をする傾向が強くなる感じで、それが事故につながっている可能性は高そうです。高齢者の場合は身体能力の衰えによる不安定な運転や自分が優先されて当然というような傍若無人な運転が多い感じで、それが事故を増やす原因になっているような気がします。

それ以外の年齢層は50歳代までは微妙に減っていくものの、おおむね10%前後くらいで大差ありません。街中を見ていても無茶な運転をする人は少ない印象なので妥当なところでしょうか。

(以上2つのグラフは http://www.sonpo.or.jp/protection/jitensya/ より)

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高額賠償事例

自転車乗用中の事故による高額損害賠償事例をピックアップしました。判決年月日が新しい順に並べてあります。

判決年月日 賠償額 加害者 被害者 事故概要
2013年7月4日
神戸地裁
9,521万円 男子小学生(11歳) 女性(62歳) 男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。
2008年6月5日
東京地裁
9,266万円 男子高校生 男性会社員(24歳) 男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。
2007年7月10日大阪地裁 3,000万円 男子中学生(15歳) 男性会社員(62才) 男子中学生(15歳)が無灯火で幅2.5mの歩道上を車道寄りではなく車道から1.8mの建物側を走行中、交差点の信号機が青のうちに早く渡ろうと速度を上げたところ、男性会社員(62才)に正面衝突して転倒させ死亡させた事例。
男性会社員の過失は0。男子中学生は視力0.2程度の視力(裸眼)で普段は眼鏡を着用しているが、事故当時は未着用。
2007年4月11日
東京地裁
5,438万円 男性 女性(55歳) 男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。
2005年11月25日横浜地裁 5,000万円 女子高生(16歳)
※判決時は19歳
女性看護師(54歳)

54歳の看護師女性が市道を歩行中、無灯火の上、携帯電話を操作していた16歳女子高生に追突され、被害者女性は手足に痺れが残って歩行困難になり職も失った事例。加害者の父親の責任は否定。

2005年9月14日
東京地裁
4,043万円 男子高校生 男性(62歳) 男子高校生が朝、赤信号で交差点の横断歩道を走行中、旋盤工(62歳)の男性が運転するオートバイと衝突。旋盤工は頭蓋内損傷で13日後に死亡した。
2003年9月30日
東京地裁
6,779万円 男性 女性(38歳) 男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。
2003年2月20日大阪地裁 2,108万円 男性会社員 女性(61歳)

会社員男性の運転する自転車が交差点を横断後に歩道上の人混みに高速度で突っ込み、美容室経営兼主婦(61歳)に衝突して転倒。女性は右大腿骨頸部内側を骨折し、後遺障害等級8級7号。危険性の高い走行とされ無謀運転の自転車運転者の過失は100%。

2002年9月27日名古屋地裁 3,120万円 中学生(14歳) 高齢女性

白線内を歩行中の老女が電柱を避けて車道に出た際、無灯火で対向進行してきた14歳中学生の自転車と衝突、老女が頭部外傷による後遺障害2級の障害を残した。
この判決で老女の過失割合15%と既往症の減額20%が適用されたが、中学生の損害賠償金は合計約3,120万円になった。

1996年10月22日
大阪地裁
4,080万円 未成年者 男性(71歳)

午後7時頃、18段変速のマウンテンバイクを運転する未成年者が、河川敷の幅員3mの自転車・歩行者専用道路を時速20~25kmで走行中にギア操作のため右ハンドルを注視したまま13.6mも進行し、対向進行してきた女子短期大学非常勤講師の男性(71歳)にブレーキを掛ける間もなく衝突し、転倒させた事例。男性は急性硬膜下血腫、脳挫傷、頭蓋骨骨折等により後遺障害1級。正面衝突ではあったが、マウンテンバイクにライトがない上、歩行者も歩く道路で前方不注視が過ぎたため、未成年者の過失は85%とされた。

死亡事故が多いため判決での損害賠償額は総じて高め。特に直近2件は1億円近い賠償額の判決がでています。特筆すべきは、加害者が未成年者(一番若い案件だと小学生)であろうと損害賠償金額が低くなるということは一切ないということです。刑事ではなく民事なので情状酌量はないうえに、ほぼ過失100%で被害者を死亡させてしまっているので当然とも言えます。未成年だから甘く見てもらえると思ったら高額賠償で家庭崩壊した…ということが現実に起こりうるということです。

自転車保険での損害賠償補償はだいたい1,000万円から最大で2億円のものまで幅広いですが、以上のような最悪の事案を想定するならば、1億円までの補償はしてもらえる自転車保険に加入しておくのが安心と言えます。特にお子さんが自転車で事故を起こすリスクが高そうな道を頻繁に行き来するような場合は検討の余地が大いにあるでしょう。

※上記表の内容は以下より
http://www.sonpo.or.jp/protection/jitensya/
http://www.ac.auone-net.jp/~nyantoro/jitensha-hanrei.html

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